マイクロソフトは5月15日,サーバーOSの新版「Windows Server 2003」日本語版の出荷開始時期を発表した。パッケージ製品の出荷開始は6月25日。ボリューム・ライセンス・プログラムでは6月2日よりライセンスを購入できる。ターゲットとするシステムの規模や用途に応じて「Datacenter Edition」「Enterprise Edition」「Standard Edition」「Web Edition」という4つのエディションを用意する。

 Web Editionを除いた3つのエディション間の位置付けはWindows 2000 Serverと変わらない。Datacenter Editionは最大32個のマルチプロセッサに対応する最上位版で,ミッション・クリティカルな大規模システム向け。32ビット版と64ビット版を用意する。Datacenter Editionの販売はサーバー・ベンダーへのOEM供給のみ。既にNECなどが搭載製品を発表している(関連記事)。

 パッケージ製品として販売するエディションはEnterprise EditionとStandard Editionの2つ。Enterprise Editionは8個までのマルチプロセッサに対応し,やはり32ビット版と64ビット版を用意する。ただし,パッケージ販売は32ビット版のみ。64ビット版はボリューム・ライセンス・プログラムでのみ提供する。一方,Standard Editionは,最大4個のマルチCPUに対応する。ファイル/プリント・サーバーをはじめとする中小規模のシステム向け。Enterprise Editionに比べると,クラスタリング・サービスや稼働中のメモリー増設など可用性やスケーラビリティに関する機能の一部が省略されているなどの違いがある。64ビットCPUもサポートしない。

 Web Editionは,主にホスティング・サービス業者に向けたエディションである。Internet Information Services 6.0を使った,Webサイトのフロントエンド・サーバーとしての運用に機能を絞っている。パッケージ製品はなく,ボリューム・ライセンス・プログラムの「Select」と「Service Provider License Agreement」でのみ提供する。コードも他のエディションとは異なり,MUI(Multilingual User Interface)版と呼ぶ多言語対応バージョンになる。

 パッケージ販売される2エディションの推定小売価格は,Windows 2000 Serverとほぼ同じ。例えば25CAL(クライアント・アクセス・ライセンス)付きのEnterprise Editionが71万9000円,5CAL付きのStandard Editionが17万6000円。Open Businessでのライセンス価格はEnterpriseが44万9000円,Standardが13万円となっている。

(斉藤 国博=日経Windowsプロ)