Microsoft SQL Serverの次期バージョンであるYukon(開発コード名)の最初のベータ版は,6月初頭に開催予定のセミナー「TechEd 2003」でリリースされる予定だ。しかし,最近の報道によれば,この製品は開発が遅れ気味のため,節目となるイベントに間に合わないかもしれない。

 しかも,予定されたスケジュールに間に合わないMicrosoft製品は,Yukonだけではない。Office 2003のほとんどのアプリケーションとExchange Server 2003も,当初は6月にデビューする予定だった。しかし,いくつかの不都合が重なって,Office 2003の開発は遅れている。また,様々な製品の開発の遅れが重なったため,Windows Small Business Server 2003の開発にも影響が出ている。

 Microsoftは公式には,次期SQL Server(Yukon)ベータ1の出荷は2003年前半になるとしか述べていない。とはいえ,社内ではTechEdでの出荷を目指していた。米CRNの報道によると,6月1日から6日にテキサス州ダラスで開催されるTechEdの前半日程中には,Yukonのベータ版は出荷されないとしている。しかし,MicrosoftのSQL Server製品担当ディレクタであるStan Sorensen氏は,同社では依然,5月終わりまでにベータ1の開発を完了させる考えであるという。

 Yukonのデータベースで培われた技術は,新しいファイル・システムであるWinFS(Windows Future Storage)に実装される予定のものだ。WinFSは,Microsoftが2005年に出荷する次期Windows OSの「Longhorn」(開発コード名)において,NTFSファイル・システムのアドオンとして提供される。Yukon自身は,より強固なセキュリティや確実なバックアップ機能のほかにも,新しい様々な機能を提供する予定だ。.NETやXML,Webサービスに対応する機能や,プログラム言語に依存しないストアド・プロシージャへの対応などである。