日本ヒューレット・パッカード(HP)は4月21日,バックアップ・テープ規格DDS(Digital Data Storage)の最新版「第5世代DDS(5th Generation DDS)」を発表した。データ記憶容量はテープ1巻当たり非圧縮時36Gバイト(圧縮時72Gバイト)と,DDS-4の20Gバイトに比べて1.8倍に増加している。

 DDSは,音楽向けのDATカセットと同寸法のテープ・カートリッジを使用するバックアップ・テープの規格。米Hewlett-Packard(HP),米Seagate Technologies,ソニーの3社が開発して,小規模システムやワークステーション向けに普及している。1999年に発表されたDDS-4を最後に後継規格は発表されていなかった。

 しかし,DDSドライブ装置の2002年の市場シェアは,台数ベースで50%弱,金額ベースで25%を占めており(米Gartner Dataquestによる調査:世界の出荷実績),いまだに大きな市場がある。そこでHPは,2000年に開発を中断した「DDS-5」を「第5世代DDS」として単独で発表した。DDS-5の名称は特許などを共同所有するソニーに配慮して,使用しなかったという。今後のロードマップとして,2005年に記憶容量70G~80Gバイト(非圧縮時)の第6世代DDS。その後,容量140G~160Gバイトの第7世代DDSを開発する予定。

 日本HPは同日,第5世代DDS準拠のドライブ装置「hp StorageWorks DAT 72」を発表した。同ドライブは,DDS-3/4テープの読み取り/書き込みも可能である。インターフェースはUltra Wide SCSI。内蔵型と外付けタイプがある。価格は14万円から。出荷開始は5月中旬。

(茂木 龍太=日経Windowsプロ)