日本IBMは4月17日,複数のディレクトリでユーザー管理を集中化するソフトウエア「IBM Tivoli Identity Manager V4」を発売した。ユーザー情報の大本となる「メタディレクトリ」を構築し,その情報を複数のディレクトリに配布して管理する。ユーザーIDの新規作成/変更/廃止という一連のライフサイクルを管理する「プロビジョニング」機能が充実している点も特徴。サンプル構成価格は1027万円(1000ユーザー,10CPUの場合)で5月6日に出荷を開始する。

 現在多くの企業では,ユーザーやコンピュータの情報を管理する「台帳」であるディレクトリが複数ある。例えば,WindowsのActive Directoryのほか,サンマイクロシステムズの「Sun ONE Directory(旧iPlanet Directory)」といったLDAPサーバー,Dominoディレクトリのようなアプリケーションごとのディレクトリが混在しているのが現状だ。しかし,複数のディレクトリを個別に手作業で管理するのは,非常に手間がかかる作業である。

 IBM Tivoli Identity Manager V4は,上記以外にも40近いディレクトリを集中管理できる製品。大本となるメタディレクトリを管理すれば,その情報が他のディレクトリに自動的に配信される仕組み。メタディレクトリはWebブラウザからメンテナンスできる。データベース・ソフトはIBMの「DB2」を使用する。

 プロビジョニングでは,ユーザーの追加や変更の際に上司の承認を求めるワークフローを簡単に作成する機能や,部門管理者に部門のユーザー管理の権限を委譲できる機能などがある。

 製品の稼働サーバーOSは,Windows NT,Solaris,AIX。管理できるディレクトリは,Active Directory,NTドメイン,Novell NetWare,NIS,Dominoサーバーなど。

(中田 敦=日経Windowsプロ)