米Microsoftは4月9日(米国時間),米AMD(Advanced Micro Devices)の64ビットCPU向けのWindows XPとWindows Server 2003を開発中であると発表した。出荷時期や価格は未定だが,ベータ版を2003年半ばにリリースする予定。

 AMDは,OSによって32ビットと64ビットCPUの動作モードを使い分けることが可能な「x86-64」技術を採用した64ビットCPUを開発している。64ビットOS上で32ビットのアプリケーションを動作させられるので,同社は32ビット環境から64ビットへとスムーズに移行できるとしている。米Intelの64ビットCPU「Itanium」は32ビットOSをサポートせず,32ビットのアプリケーションは,64ビットOSで提供されるサブシステム上で動作させる仕組みである。

 AMDは,製品としてサーバー/高性能ワークステーション向けのOpteron(開発コードSledgeHammer)を4月23日に,デスクトップ向けのAthlon 64(開発コードClawHammer)を2003年9月に出荷開始する計画。Intelは,サーバー/高性能ワークステーションをItaniumでカバーし,デスクトップPC向けは特に用意していない。

 Windowsの対応はItaniumが先行している。既にItanium用のWindows XPが出荷されており,Itanium用のWindows Server 2003が同OSの32ビット版と同時に米国では4月23日に発売される。

 Microsoftは2002年第4四半期から,開発者向けに「x86-64」技術用のWindowsを提供していたが,OSの種類や製品の出荷時期は公表していなかった。

(茂木 龍太=日経Windowsプロ)