ストレージ業界団体の米SNIA(Storage Industry Association)はこのほど,ストレージの相互運用管理の標準規格「Storage Management Initiative(SMI)」が,仕様のテスト段階に入ったと発表した(該当サイト)。SNIAテクニカル・ワーク・グループは,SMIの仕様に関する内部評価を完了し,テスト段階に移った。「CIM-SAN-2 Developers Demonstration Program」と呼ばれる実証試験の期間は6カ月で,公開実証試験や,ストレージ・ベンダーが技術の互換性を試す「plugfests」と呼ばれるイベントを実施する。SNIAでは,2003年末までにテストを終了し,標準仕様を公表する予定。

 2002年秋に開催されたStorage Management Forumでは,「CIM-SAN 2」標準規格に管理やセキュリティに関する新しい機能が盛り込まれることが明らかになっている。新機能は以下のようなものである。(1)「Array volume creation」は複数のディスク・アレイを仮想化し,その上にホストからアクセスできる論理ボリュームを作成する技術,(2)「Array LUN masking」は,ホストから論理ボリュームを見えるようにするかどうかをコントロールするためのセキュリティ機能,(3)「Array snapshot and mirror control」はスナップショットやミラー・ボリュームを作成/分割/同期するための技術,(4)「Fabric topology and zoning discovery」は,どのデバイスがスイッチに接続し,ゾーニング・パラメータがどうなっているか監視するための技術。

 多くのストレージ・ベンダーが,この実証試験に参加する予定。SNIAのSMIができたあかつきには,マルチベンダーのストレージ製品における相互運用が容易になる。相互運用性は,ストレージ・ベンダーやストレージ管理ソフト・ベンダーにとって,現在最も重要な課題である。