マイクロソフトは3月19日,企業とユーザーをインターネット経由で結ぶメッセージング・サービス「Microsoft .NET Alerts」の国内運用を開始した。.NET Alertsはマイクロソフトがインターネット上で運用するメッセージ中継サービスで,このサービスを利用する企業が発信するメッセージを,タイムリにユーザーのPCや様々なモバイル機器に送信できる。

 メッセージの配信先や通知方法はユーザーがあらかじめ決めておく。例えば,ユーザーがPCでインターネットに接続しているときは,PCのデスクトップ上にポップアップ画面を表示させ,外出中のオフライン時は携帯電話のメールに配信する,といった設定にできる。ユーザーが知りたい情報,企業が伝えたい情報(メッセージ)をいつでも確実に配信できる点が特徴である。

 .NET Alertsのメリットは,ジェイティービー(JTB)や東京三菱銀行が開発した.NET Alert対応サービスや将来構想を見ると分かりやすい。

 JTBは.NET Alertsを使って旅行情報や商品情報の配信から始める考えだ。ただし,同社が.NET Alertsに期待しているのは,PCやモバイル機器にタイムリな情報提供ができる点である。例えば,ある旅行商品にキャンセルが出たときの案内や,出発日の数日前に発売されるような安い航空券などの情報を,希望する顧客に素早く通知できるようになる。

 東京三菱銀行も,変化の大きい金融市場の情報を顧客に提供する新サービス「東京三菱クイックアラート」のメッセージ伝達手段として.NET Alertsを利用する。同行は.NET Alertsを利用することにより,システムを短期間で開発できたという。

(渡辺 享靖=日経Windowsプロ)