米Microsoftは,Office次期版製品群の総称を「Microsoft Office System」にするとともに,マーケティングの一環としてベータ2を3月10日から広く一般に配布することを明らかにした。全世界で50万人規模ユーザーがベータ2をテストできるようにする。配布するベータ2には2003年版Microsoft Word,Excel,PowerPoint,Outlook,Access,Publisher,FrontPage,および新製品InfoPathとOneNoteが入っている。ほかにサーバーに導入するソフトWindows SharePoint Services(旧名称SharePoint Team Services)やサービスも含まれる。Visio,Project,Project ServerもOffice Systemの一員だが,これらはテクニカル・ベータの段階で一般向けには配布されない。

 同社がOfficeの製品名を変えるという兆候は以前のベータ版にもあった。しかし,「Office System」の名称は今回初めて現れたものだ。Microsoftの社内資料には「Office製品の新しいブランドは,文書作成のためのひとそろいのプログラムというイメージを変えて,デスクトップとサーバーやサービスを総合したインフォメーション・ワーク向けのプラットフォームにするためのキーとなる要素である。これによって,Office Systemを戦略的なビジネス資産として位置付けるとともに,世界の隅々までコミュニケーションを行い製品を届ける努力を始めたい」と書かれている。さらにMicrosoftは新しいOffice Systemのブランドに合わせてすべての製品の名称を変更する。例えばWord はOffice Word 2003になるなどだ。

Office次期版ベータ2には以下の機能やアプリケーションが入っている。

Digital ink support for the Tablet PC:ベータ2には完全なタブレットPC用のデジタル・インク機能が入っており,手書き文字をOffice文書に素早く取り込むことが可能になっている。

Office OneNote 2003:ノートとして取り込み,組織化を行うツールで,Office Systemに新しく加わる製品の1つ。

Office InfoPath 2003:情報収集の効率化と制御を行い,グループや会社組織がビジネス・プロセスや組織に関するデータを再利用できるようにする。XML(Extensible Markup Language)とXML Webサービス,ユーザーが定義したXMLスキーマを直接サポートし,動的に変化するデータを見栄えのよいユーザー・インターフェースで対話的に扱えるようになるという。

Office Outlook 2003:新しい迷惑メール対応機能や予定表機能の拡張などを施した電子メールおよびPIM(個人情報管理)ソフト。

Office Word 2003:デジタル著作権管理機能,XML文書やデジタル・インクの利用機能などが追加されている。他人に送っても内容や書式を変更されない文書を作成可能になる。

Office PowerPoint 2003:新しいスマート・タグ,デジタル・インクでスライドに注釈を付ける機能,類義語辞典にアクセスする機能,新しいプレイリスト・フォーマット,フルスクリーンのビデオ映像の利用や「Package For CD」という機能などが追加される。

Office Access 2003:アプリケーションからJetデータベースを直接バックアップ可能にする。自動修正機能を有効にすると,入力を修正するための新しいスマート・タグが利用可能になる。現存するオブジェクトや削除したオブジェクトに関するオブジェクトの依存性を簡単に追跡できるようにする。

Windows SharePoint Services:文書作成者が文書を共有して共同作業を行うためのWebサイトを作成できるようにするソフト。

Office Online Services:オンライン・インターフェースを改良し,Office Webサービスに機能追加や改良を施してうまく統合している。