日本ネットワーク・アプライアンス(NetApp)は2月18日,ディスク装置を使ったデータ・バックアップ・ソリューションを強化すると発表した。バックアップ用ハードディスク装置の新製品「NearStore R150」を3月に出荷するほか,同社のNAS(Network Attached Storage)が備えるオンライン・バックアップ機能を,他社のバックアップ・ソフトからも利用可能にするなどが内容。

 同社の販売するバックアップ用ハードディスク装置は,ハイエンド・ストレージ装置のバックアップ用途としては比較的安価な大容量NASである。「数Tバイト~数百Tバイトのデータを扱う大企業では,テープ装置を使ったバックアップ/リストアに伴うサーバー・ダウンが課題となっている」(米Network ApplianceのPhil Williams副社長)ことから2002年に製品化した。従来の「NearStore R100」は,ATAディスクを大量に搭載した製品で,容量は12Tバイト,価格が5000万円である。バックアップ性能は約200Gバイト/時で,テープ装置と比較してバックアップ/リストアを大幅に高速化できる。

 3月に出荷を開始する新製品「NearStore R150」は,250GバイトのATAハードディスクを100台近く搭載し,24Tバイトの容量を実現した。データ転送速度も「従来製品の2倍となる430Gバイト/時を実現した」(Phil Williams氏)という。価格は未定だが,「Mバイト当たり単価を,従来製品の2分の1となる1セントにする」(同)としている。

 オンライン・バックアップ機能(アプリケーションが使用中のデータを,アプリケーションを止めずにバックアップする機能)も強化する。同社のNASは,「SnapVault」という名称でオンライン・バックアップ機能を備えているが,これまでは同社のNAS間でしかオンライン・バックアップを実行できなかった。それを今後は,米VERITAS Softwareや米Computer Associates,米BakBone Software,米Legato Systemsなどのバックアップ・ソフトからも利用可能にする。これによって,異機種混在環境でのバックアップ/リストアが容易になるとしている。

(中田 敦=日経Windowsプロ)