米Microsoftは2002年2月3日(米国時間),Microsoftが独自に拡張したJava仮想マシン(Microsoft VM)を削除したWindows XPのService Pack 1a(SP1a)を公開した(該当サイト)。米連邦地裁が1月15日に下した「Sun Microsystems純正のJava仮想マシンをWindowsクライアントに120日以内に搭載せよ」との命令に対処したもの。同社では6月初めにMicrosoft VMの代わりにSun Microsystems製のJava仮想マシン(JRE,Java Runtime Environment)を搭載した「Windows XP SP1b」を出荷するほか,今後90日以内にSunのJRE単体をWindows Updateサイトでダウンロード可能にする。その一方で同社は「Microsoft VMのWeb上での配布を停止し今後一切のMS製品にMicrosoft VMを搭載しない」と述べている。

 米連邦地裁による命令が出された当初は,Microsoftは120日以内にSunのJREを搭載した「Windows XP SP2」を出荷すると見られていた。しかし今回Microsoftは,Windows XP SP2を2003年後半に出荷すると発表している。それまでのつなぎとしてWindows XP SP1a並びにWindows XP SP1bを出荷するもようだ。SP1a/SP1bともJava仮想マシン以外の部分はWindows XP SP1と同じである。

 Windows XP SP1aについては,既に日本語版を含む数多くの言語バージョンがリリースされている。しかし,Windows XP SP1bの英語・ドイツ語以外のバージョンについては,ややリリースが遅れる見通し。今後Microsoftでは,開発コード名「Longhorn」を含む将来のWindowsにSunのJREを搭載し,Windows 2000 SP4を含む将来のWindowsにおいてMicrosoft VMを搭載しないとしている。Windows Server 2003は,クライアント向けWindowsを対象とした連邦地裁の命令と関係がないため,Microsoft VMとSun製のJREのどちらも搭載しない。

 なお現時点でMicrosoft VMをインストールしているユーザーが,Microsoft VMを搭載しないService Packを適用したとしても,Microsoft VMが自動的にアンインストールされることはない。Microsoft VMの修正パッチなどのアップデートも,Windows Updateのサイトからダウンロードできる。しかし,もしMicrosoft VM向けのアプリケーションを今後新規に開発する場合は,Microsoft VMも同時に配布しなければならない可能性がある。

(中田 敦=日経Windowsプロ)