米国連邦地裁のJ. Frederick Motz判事は1月15日(米国時間),Microsoftに対してSun MicrosystemsバージョンのJavaを120日以内にWindows XPにバンドルせよと命じた。この命令は,MicrosoftとSunが争ってきたJava搭載スケジュールの妥協点となるものだ。Sunは90日以内にSunバージョンのJavaをWindows XPに搭載するよう求めていた一方で,Microsoftは実装に数カ月必要だと主張していた。この裁定は,両者に対する長期のヒアリングの結果導き出されたもので,判事はSunとMicrosoftに対して,今後も協力し合い,来週の月曜日までに最終的なスケジュールを伝えるよう求めている。

 「私はこの裁定が受け入れられることを望んでいるし,120日以内にJava搭載が実現することを求めている」とMotz判事は語る。技術的に避けられない理由がある場合のみ,MicrosoftはJavaを搭載するスケジュールのデッド・ラインを延期できると付け加えた。「もうこれ以上,ヒアリングを繰り返すつもりはない」とMotz判事は話す。

 しかし,より重要なのは,同判事がMicrosoftに対し,第4連邦控訴裁判所に控訴を求めるための猶予期間を2週間しか与えていないことだろう。MicrosoftはMotz判事に対して,控訴が受理されるまで命令の発効を待つように求めている。しかしMotz判事は,Microsoftの要求に耳を貸さなかった。「もし私の命令が保留になったり差し戻されたりしないのであれば,この命令はすぐに有効になるだろう」とMotz判事。「われわれは,命令が実行されるように取りかかっており,控訴が受理されたとしても,命令に基づく何らかの行動と同時になるだろう」。

 裁判所の命令に従えば,MicrosoftはWindows XP Service Pack 2(SP2)を120日以内に出さなくてはならない。このSP2は,最も売れているWindowsバージョンにSun製の最新Java技術が搭載されたものとなる。Windows XP SP2には,Javaへの対抗策としてMicrosoftの.NETテクノロジも搭載されるだろう。

 Microsoftは,Javaを搭載するためには技術的な複雑さがあるため90日よりもはるかに多くの時間がかかると強く主張していたが,Motz判事はMicrosoftの弁護士に対して,このような主張を早期にやめさせるように示唆し,同判事が2002年12月に出した意見書を思い出すように主張している。それには「Microsoftが何らかの“妨害”を行おうという意志を持っただけで,その妨害は完成してしまうのだ」と書かれていた。

 SunのMicrosoftに対する7種類のクレームに関して,Microsoftが棄却するように求めていた案件もMotz判事は退けた。Motz判事が先週,Sunの2種類の告発を棄却したのとは対照的だ。Motz判事は,これらの告訴がかかわっている問題点が何か誤解していたと語っている。