かつて米MicrosoftとPocket PCベースのスマートフォン・メーカーとして協力関係にあった英国の携帯電話メーカーSendoは,取引上の機密情報や独自技術を盗まれたとしてMicrosoftを訴えている。Sendoは訴状をテキサス州の連邦地方裁判所に提出したため,Microsoftはこの申し立てに対して20日以内に対応しなければならない。1年以内に審理が開始されるだろう。

 このちょうど1週間前,SendoはMicrosoftのスマートフォン技術を利用せず,競合するNokiaやSymbianの技術を採用すると発表していた。この決定に,スマートフォンのリファレンス・デザインとしてSendoのZ100を利用してきたMicrosoftは驚愕した。現在,両者の間にある溝は以前に考えられていたものより大きくなっているようだ。

 Sendoは契約違反,陰謀,詐欺など13の違法行為に対して数億ドルの損害賠償を求めている。「当社の主張は事実だ」とSendoのスポークスマンであるMarijke van Hooren氏は語る。Sendoは,MicrosoftがSendoの携帯電話のエキスパートたちに近づく見返りにパートナシップに関する嘘の約束を提案したと考えている。Microsoftは2年間以上も携帯電話市場に参入しようと試みているが,製品出荷の遅れや携帯電話メーカーらの抵抗に直面していた。

 Sendoの申し立ては,Sendoの技術とビジネス・パートナを盗むMicrosoftの極秘計画にも言及している。特にSendoは,両社が3年前にパートナシップを築いたとき,Microsoftは同社のスマートフォン・ソフトウエアの完成度を誇張し,Sendoのハードウエアとの非互換性を軽視していたと話す。Microsoftは開発資金の支払いを度々渋り,それがSendoのキャッシュ・フローにダメージを与えたとしている。 その間ずっと,MicrosoftはSendoの極秘テクノロジや重要な従業員,パートナ企業にアクセスしていたという。その後,MicrosoftはSendoのパートナ企業と関係を深める代わりにSendoのハードウエアなしで済ます決断を下し,Microsoftのスマートフォン計画からSendoを消し去ってしまったとSendoは訴えている。また,Microsoftはこれらのパートナ企業とSendoの独自技術を共有しているとも主張している。