米Microsoftは,PCメーカーに対するプリインストールの方針を一部変更した。出荷時に2つのバージョンのWindowsをプリインストールして,最初の起動時にユーザーに好きな方を選ばせるという形態のライセンスを今後供給しないという。つまりPCメーカーは,ユーザーがPCを購入するときにどのOSを欲しがっているのかを調べなければならなくなる。

 このニュース自体は大した話ではない。筆者が驚いたのはこのニュースを誤解して報じたサイトに対してMicrosoftがなにも反ばくしていないと聞いたからだ。あるオンラインのニュース・サイトが「MicrosoftがWindowsのデュアル・ブート機能を突如停止」と報じた。この表現は,ユーザーが1台のPCで複数のWindowsをブートできなくなるという,あらぬ誤解を招く。

 全くの偶然だが,米Apple ComputerはMacintoshの新型機でまさにそういうことをやろうとしている。2003年にはMac OS 9などの古いOSが起動できないようになる予定だ。この措置はMac OS Xの普及を押し上げるだろうが,それと同時に疎外されたMacユーザーを大量に生み出すことも間違いない。そんなことをしてメーカーとユーザーの両方が幸せになれるのか疑問だ。