普段は寛大で物腰が柔らかいMicrosoftが,「Windows」の名前を付けたWebサイトに対して態度を硬化させている。このほどSteven Bink氏が管理するwindowsxp.nuというサイトに対して法的な警告が出された。同氏はWindowsの熱狂的なファンでサイトではWindowsに関するニュース,Tipsや各種情報を提供している。MicrosoftはWindowsに関する2つの商標があり,同サイトが登録商標やロゴ,他のグラフィックスを許可なく利用していることが問題だという。

 Microsoftはオランダ語で以下のような主旨のファクスを同氏に送っている。「われわれはwindowsxp.nuサイトがあなたの名前で登録されているのを知っております。Microsoftはあなたのサポートが弊社のサービスや製品のサポートに役立っていることに感謝します」とある。しかし,Bink氏がMicrosoftに同サイトのドメイン名を12月19日までに返還しない場合は「法律的な手続きをとることになります。Microsoftはこの問題がそのような方法ではなく,穏やかに解決することを望んでいます」としている。

 Bink氏に尋ねたところ,まだ対応を決めていないという。本格的な訴訟で対抗するには資金もない。同氏は,長い期間をかけてこのサイトを宣伝してきた。検索エンジンGoogle.comでは,Microsoftのサイトに次いで2番目にリストされるようになっている。それだけこのドメインに対するリンクが多いのだ。彼が現在のドメインを手放すことになれば,宣伝し直すことになる。一方,彼が調べたところでは,「windowsxp」を含むドメイン名が約200あることが分かった。少なくとも100はこの言葉で始まっている。

 Microsoftは,Lindows.comに対する訴訟で「Windows」という商標を失う危険に現在さらされている。この裁判の判事は,過去の判例を引用して「Windows」という言葉は普通で一般的なので商標としてMicrosoftが所有できない可能性を示唆している。判決は12月の末にあると期待されている。

 Bink氏はこれだけ熱心にWindows XPをサポートしているのに,そのベンダーからなぜ警告を受けねばならないのかと悩んでいる。Microsoftは過去にも同じような強硬な態度を示したことがある。例えば1998年には「Windows SuperSite」の名前を変えるように要求し「SuperSite for Windows」にした経緯がある。また「Active Windows」という名前のサイトは「ActiveWin」にさせられた。