米Microsoftが同社としては初めて,7つの事業セグメント別の収益を公開した。このお陰で私たちは,Microsoftのどの部門が稼いでいるのかどうか分かるようになった。

 2002年度第3四半期において最も利益を稼いだセグメントは,Windows部門を含む「クライアント・セグメント」だ。同セグメントは28億9200万ドルの売り上げに対して,24億8200万ドルの利益を稼いでいる。これはつまり同セグメントの売り上げの約86%が,そのまま利益になったということだ。

 Microsoft Officeを扱う「インフォメーション・ワーカー・セグメント」の業績もよかった。同セグメントは23億8500万ドルの売り上げに対して,18億7900万ドルの利益を稼いでいる。

 しかし,これら以外のセグメントの業績はあまりよくない。最も大きな損失を発生させたのは「ホーム・アンド・エンターテインメント・セグメント(Xbox)」で,5億500万ドルの売り上げに対して1億7700万ドルの損失が発生した。「MSNセグメント」は5億3100万ドルの売り上げに対して9700万ドルの損失,「(Windows)CE/モビリティ・セグメント」は1700万ドルの売り上げに対して3300万ドルの損失である。これらの数値を見るにつけ,「WindowsとOfficeが,会社の他の事業部が沈没するのを食い止めているのではないのか」という疑念はより強固なものとなった。

 7セグメントのうち残りの2セグメントの業績は以下の通り。「サーバー・プラットフォーム・セグメント」は,15億2300万ドルの売り上げに対して,5億1900万ドルの利益を上げた。「ビジネス・ソリューション・セグメント」は1億700万ドルの売り上げに対して,6800万ドルの損失だった。

 MicrosoftはXboxで巨額の資金を失っているが,同社はビデオ・ゲーム(家庭用ゲーム機)産業に存在すると信じられている「次の大きな金脈(the Next Big Thing)」を他社に先駆けて手に入れようと必死になっている。その金脈とは,オンライン・ゲームだ。

 既に10万人以上が同社のオンラインゲーム・サービスに登録している。しかしいつになったらXboxが利益を生むようになるかは,依然定かではない。同社によれば,同社は今後5年間,Xbox Liveサービスを提供したりXbox本体の性能向上を図るために200億ドルを費やす予定である。

 それにしても,よいゲームは十分そろったのだろうか? 来るホリデー・シーズンが同社にとって最も重要になるだろう。