米ViewSonicは11月11日,これまで開発コード名「Mira」と呼ばれてきたMicrosoftの「Windows Powered Smart Displays」に準拠した製品「airPanel V110」と「同V150」を業界で初めて公表した。出荷開始は,2003年の第1四半期の予定。

 Windows Powered Smart Displaysは,PC本体と分離したディスプレイ装置にWindows CE .NETを組み込み,本体と無線でつなぐ新しい形態の家庭用PC製品。本体とディスプレイの分離はコードレスフォンに似た効果があり,モバイル型のディスプレイを持って家の周辺でぶらぶらしながら,部屋に置いてあるPCを利用できるといった自由度が生まれる。

 同社のV110は表示サイズが10インチで,既に使っているホームPCに追加して使う補助的なディスプレイという位置付け。一方,V150は表示サイズが15インチで,既存ディスプレイを置き換えるタイプだ。V150はドッキング・ステーションを含んでおり,PC本体の前に置けば机の上で使うこともできる。両製品とも,Windows XP ProfessionalとUSBベースの無線LANアダプタを含んでいる。単純なインストールですぐに使えるようになる。予想される小売価格は,V110が約1000ドル,V150が約1300ドルになるだろう。

 国内販売担当の上級副社長であるBrian Igoe氏は,「Smart Displaysは“モニター進化”の最終段階に入った。その自由度と性能はホーム・コンピューティングのありようを変えるだろう。われわれは小売業者から熱狂的な支持を受けた。これならハイテク通の消費者にも売れるだろう」と語った。販売は,CompUSAなどのような従来のコンピュータ・ショップだけでなく,Amazon.com,Buy.com,Dell.comといったオンラインでも販売される。

 Windows Powered Smart Displaysは今後,企業や家庭で無線機能を統合したスマート・プロジェクタ,ハイビジョン・テレビに発展する可能性がある。同社プロダクト・マネージャのDavid Feldman氏は「これは,ソフトウエアの1つの夢なんです」と語った。