オープン・ソースのソフトウエア・ベンダー製品が最も強いと思われている価格の部分でMicrosoftがLinuxを挑発している。Microsoftは,長期的にみるとWindowsはLinuxよりも実は安いと主張し始めた。Linuxの支持者はLinuxはタダだから予算の少ないビジネスや官公庁に向いていると主張してきた。しかし,TCO(Total Cost of Ownership)を調査したところ,システムのライフタイム全体でOSが占める割合はわずか5%に過ぎない。他の部分のコストはサポートやアプリケーションの開発/配布などで,この部分はWindowsが優れているとしている。つまり,Linuxはライセンス価格は安いが他のコストはかかるというのが正しいと主張する。

 私は,この件に関しては多少の意見がある。「LinuxはWindowsよりもセキュアだ」とか「WindowsやLinuxよりも高い」といった類の主張は分かりやすくするために誇張されていて,そのため必ずしも正確ではないと考えている。実際のユーザー環境には,もっと複雑な条件がからみあっている。ある条件ではLinuxはWindowsよりも安いコストで構築できるだろうし,別の条件ではそれが逆転するかもしれない。