米Microsoftが,Windows XP Media Center Edition(MCE)のデジタル・ビデオ録画機能などからコピー防止機能を取り除くというセンセーショナルな決定を発表してから(該当ニュース),ハリウッドでは抗議が起こっている。Los Angeles Times紙によると,Motion Picture Association of America(MPAA)は,XP MCEがコンテンツ制作者の著作権を侵害することを心配していると報じている。エンドユーザーがペイ・パー・ビュー番組などケーブルTVの放送を録画して配布することを促進するからだ。

 MPAAのCTO(最高技術責任者)であるBrad Hunt氏は「私たちは,コピー防止機能のない状態でコンテンツがPCに保存されることを危ぐしている。それでは著作権が保護されないからだ」と語っている。Hunt氏によると,TVを録画できないようにしていた以前のXP MCEの方が望ましいとしている。

 しかしMicrosoftは,新しい方式の方がユーザーにとって便利で,ハリウッドがコンテンツを保護することも可能だとしている。これは,XP MECがコピーを防止する放送向けの技術であるCopy Generation Management System(CGMS)をサポートしているからだ。CGMSで保護されたコンテンツは,録画したマシン上でしか再生することができず,XP MCEのユーザーの間で共有することはできない。「この技術は配布する人が“コピー禁止”とコンテンツに記録することができる」とMicrosoftのTom Lammael氏はいう。

 もちろんハリウッドには危ぐする権利がある。MicrosoftのXP MCEはすでにHPから発売されていて確実に売れてきている。ショップの棚に並んでまだ数日だが,HP Media Center PCはCompUSAのベストセラーとなっており,HPによるとそう長くは在庫がもたないという。HPのHome Products DivisionでWorldwide Product Marketing Managerを担当しているDavid Galvin氏は「私たちは売り切れになると確信している。もし手に入れたければ,すぐにお店に行った方がいい」と語っている。