Windows XPや.NET Serverの次期版として開発を進めている「Longhorn」(開発コード名)のアルファ版が,製品を試していた一部の熱狂的WindowsファンからWeb上でリークされた。リークされたバージョンは「alpha」もしくは「M3(milestone 3)」と呼ばれているもの。MSN 8の一部として今週発表されたダッシュボードに似た,タスク・ペインやサイドバーが画面の横に並んだ画面となっている。しかし,このアルファ版で実現しているユーザー・インターフェースは,Windows XPで搭載しているLunaとよく似ており,最終的な製品で搭載される予定の3Dビデオの画面は含まれていない。とはいえ,Windows XP以降に米Microsoftがどのような開発をしているのかをのぞき見る手段として,このLonghornのアルファ版は興味深い。

 「これがMilestone 3と呼ぶアルファ版ということは,まだいずれも変更中という意味だ」とWiNBETAのArnaudt氏はいう。さらに「現在,この中にはWinFSの最初のバージョンが含まれているが,どのサービスでも使えないよう無効になっている。これは,CPUの使用率が100%になってしまうからだ。しかし,このWinFSは拡張した素晴らしいGUIをもっており,アルファ版の中ですごく特徴的なものである。サイドバーもまだとても不安定で,しばしばクラッシュするなど,IE 6.05との相性も十分ではない」と語る。

 私に言えることは,このリリースは本物のように見えるが,本来はこのビルドを入手して自分自身の目で確認する必要があるということだ。しかしながら,リークされたLonghornの情報を見ると,Windows XPに対して,以下のような拡張が含まれることになっている。

●複数のデスクトップや時計,アプリケーション,ショートカットなどにクイック・リンクさせたタスク・ペイン。このタスク・ペインは,画面の左右に表示したり隠したり,場合によってはタスクバーと連結したりできる。スタート・メニューは基本的にWindows XPのものと同様である。

●Lunaをベースとした「Plex」と呼ぶ,Windows XPの「Watercolor」画面よりも柔らかいユーザー・インターフェース。これは,よりいっそう魅力的なものに置き換わることを期待している。

●マイ・ドキュメント,マイ・ピクチャ,マイ・ミュージックのようなシステム・フォルダにおけるアニメーション表示。

●現在のWindowsアプリケーションで使われているWin32 APIの後継となる,XMLベースの「Avalon」APIを利用した新しいアプリケーションや操作画面。例えば,現在のシンプルなダイアログとは異なる,拡張したディスプレイのプロパティのようなものがある。私が見たアルファ版Longhornの画面写真では,ディスプレイのプロパティがWindows XPの「ユーザー・アカウント」のようなタスク・ベースの操作画面になっていた。もう1つの例としては,オーディオや入力といったカテゴリごとに分割しながら,PCのハードウエア情報をグラフィックに表示する「マイ・ハードウエア」アプリケーションがある。

●Internet Explorer(IE)の新しいバージョン。これはLonghornの出荷時に提供されるもので,おそらくIE 7かIE .NETと呼ばれることになる。Windows XPの初期開発版と同様に,Longhornのアルファ版でも現在のIEから微修正したIE 6.05を提供している。

●現時点で一部のみが実装されているWinFSファイル・システム。このSQLを使ったファイル・システムは,Windows Media Player 9のSmart Playlist Editorにやや似た形で,エクスプローラを使って簡単な検索を実行できるようにする。

 これらは本当だろうか。正直言って私には分からないが,これらが偽物だとしたら私が今まで見たこともないような,複数の人による精巧な偽物である。私は実物のコードを手に入れようとしており,Microsoftにも確認しているところである。しかし,どうもこれは本物のように見えてしまう。