米Intelは,9月9日からカルフォルニア州サンノゼで開催している開発者向け会議「IDF(Intel Developer Forum)」で,今後1年間でリリースされる新製品や計画を発表した。それは,PDAからサーバーまですべてのカテゴリーにわたる。以下に,興味深いものをいくつか紹介しよう。

デスクトップ・パソコン向け3GHzのPentium 4
 予想通り2002年末までにデスクトップPC向けに動作周波数3GHzのPentium 4が出荷される。そのCPUは「ハイパースレッディング」機能を備えており,CPU単体でデュアルCPUとして振舞う。Intelによれば,この機能により25~30%性能が向上するという。ハイパースレッディングの能力を生かすためには,アプリケーションの最適化が必要で,Windows XP Home Edition/ProfessionalやWindows 2000 Professional,Windows Media Encoder 9シリーズ,Photoshop 7などは,既に最適化されている。

4.5Gから5GHzのPentium 4
 今後,デスクトップ向けCPUのPentium 4は,ますます動作速度が向上する。その結果,2003年上半期には5GHzに達する見込みだ。

セキュリティ技術LaGrandeとPrescott
 「LaGrande」は,Microsoftが提唱するパソコンのセキュリティを高めるPalladium計画のハードウエア部分を担当するCPUとチップ・セットの開発コード名。2003年後半に登場する予定。LaGrandeは,ユーザーに保護されたプログラム実行環境,保護されたメモリー空間,保護されたストレージを提供する。LaGrandeはさらにPalladiumのような他の技術とも共存してデジタル著作権管理(DRM:Digital Rights Management)を実現する。 LaGrandeは,次世代デスクトップ向けCPU「Prescott」の一部としてデビューする。

Madison
 開発コード名「Madison」と呼ばれる第3世代64ビットCPUが2003年中に登場する予定。性能は現行製品のItanium 2より30~50%向上する見込み。

Banias
 2003年第1四半期,携帯性に優れたノート・パソコン向けに開発コード名「Banias」と呼ばれる新設計のCPUを発表する。Baniasは,現行のノート向けCPUの主流であるPentium 4-Mより長時間のバッテリ駆動と高い性能を示す。初めに登場するのは,動作周波数が1.3G,1.4G,1.5G,1.6GHzの製品。また,無線LAN規格IEEE 802.11aと同11bの機能を統合するという。

Handheld Chips
 Intelは,スマート・フォン向けのチップにより,PDA市場において性能でリードする目論見だ。IntelのPaul Otellini社長は,基調講演で「我々が産業界において何を目指しているか,その究極的なゴールとは,いつでも,どこでも世界のすべての人にコンピューティング環境を届けることだ」と語った。

Rambus
 メモリーに関してデスクトップ向けには引き続きRambusをサポートするが,ワークステーション市場ではラムバス・メモリーは死んでおり,今後対応するチップ・セットは開発しない。エンタープライズ・プロセッサ・マーケティング部のLisa Hambrickディレクタは「ワークステーション向けは,DDR(Double Data Rate)メモリーに移行する」と述べる。 DDRメモリーはロイヤルティを払う必要がなく,ラムバス・メモリーより安く製造できる。