トレンドマイクロは,企業向けウイルス対策戦略「トレンドマイクロ エンタープライズ プロテクション ストラテジー」(TM EPS)に対応した製品の第1弾を10月2日に出荷すると発表した。TM EPSは,ウイルス発生から感染被害の終息まで一貫したウイルス対策を施すことで社内システムを保護する戦略(参考記事)。6月に発表しており,ようやく対応製品の概要と出荷時期が明らかになった。

 発表したのは,社内ネットワークに散在するウイルス対策ソフトの設定を迅速に行う管理ソフト「Trend Micro Control Manager 2.1」(以下Control Manager 2.1),及びインターネットと社内ネットワークのゲートウエイ部分でウイルスを検出する「InterScan Messaging Security Suite 5.1」(以下InterScan MSS 5.1)の2製品である。

 Control Manager 2.1は,ウイルスの特徴や振る舞いに基づいてトレンドマイクロが作成した「アウトブレークコマンダーポリシー」というファイルを使用して,ウイルス対策ソフトを同社が推奨する設定に変更できる。また,パターン・ファイルの更新や社内にあるウイルス対策ソフトを一元管理できる。単体で販売される製品ではなく,TM EPSに対応した製品に同こんする形態で提供される。

 InterScan MSS 5.1は,ウイルスの検出とコンテンツ・フィルタリングの機能を統合したソフト。ウイルスの検出だけでなく,サービス妨害(DoS:Denial Of Service)攻撃も防げる。メールに関しては,件名や本文に含まれる語句や添付ファイル名,メール・データや添付ファイルのサイズでフィルタリングする6種類のフィルタを備えており,様々な条件でウイルスが添付されたメールを検出できる。スパム・メールの遮断も可能になっている。Control Manager 2.1が配信する「アウトブレークコマンダーポリシー」を適用すると,これらのフィルタ設定を自動で変更できる。初年度のライセンス価格は1ユーザー当たり5930円(25ユーザーの場合)。2年目以降は初回購入価格の半額になる。

 今後,同社はクライアントPC用ウイルス対策ソフトなど,TM EPSに対応する製品を拡充する計画。

伊藤 康生=日経Windowsプロ