富士通は7月29日,大規模なストレージを統合管理するためのストレージ管理ソフト群「Softek」を発表した。開発は日米の富士通が共同して行った。ディスク容量の把握と計画的な増設,高速バックアップとりストア,ストレージ・バーチャリゼーションなど5つのソフトウエアからなる。7月末から製品を順次出荷し,10月下旬に5製品が出そろう予定。販売目標は,国内海外合わせて3年間で5万本を目指す。

 開発拠点になっている米Fujitsu Software TechnologyのScott Kennedy副社長は「.comブーム以降,企業のストレージがはんらんしており,管理コストはストレージ全体のコストのうち91%を占めるに至った。マルチベンダー環境において,ストレージの統合管理と自動化により,管理コストの低減を図ることが望まれている」と語る。

 「Softek」は単なるバックアップ・ソフトの範ちゅうに収まらない,統合的に管理するストレージ管理ソフトとして,上から下までカバーする製品だ。5つのソフトウエアとは,(1)マルチベンダーのストレージの使用状況を管理する「Softek Storage Manager」,(2)マルチベンダーのSAN(Storage Area Network)環境の構成管理と障害監視を受け持つ「Softek SANView」,(3)ストレージ全体の使用量を最適化するストレージ・バーチャリゼーション・ソフトの「Softek Virtualization」,(4)ストレージのハードウエアに依存しないデータ複製機能を提供する「Softek TDMF Open Systems Edition」,(5)富士通の「ETERNUS GRシリーズ」と組み合わせて高速バックアップを実行する「Softek AdvancedCopy Manager」――。

 5製品のうちSofTek Virtualizationは,「米DataCore Softwareからストレージ・バーチャリゼーション・ソフトSANsymphonyのソース・コードを購入して開発したもの。統合型のストレージ管理ソフトになるように独自に改良した」(富士通 ファイルシステム事業本部の鈴木恵司 ストレージソフトウェア事業部長)という。

(木下 篤芳=日経Windowsプロ)