米Microsoftが先週開催した金融アナリスト向けのミーティングでは,製品化の計画がいろいろと伝わってきた。この種のミーティングでは,市場から好意的な反応を引き出そうとして色々な新製品情報が飛び出してくるものだ。肝心の市場の反応は今ひとつだったが,新製品情報自体は結構な収穫があった。その1つが,2002年2月に出荷が始まったばかりのVisual Studio .NET(VS.NET)の次期版についての情報だ。現行のVS.NETは文字通り「満を持して」発表された製品である。その前のバージョンがリリースされたのは一体いつのことだったか,既に忘却の彼方だが,今後はバージョンアップ予定が目白押しである。

 まず,2002年中にマイナー・チェンジ版「Everett(開発コード名)」がリリースされる。Everettの強化点はセキュリティとパフォーマンスの向上,および「.NET Compact Framework」正式版への対応である。.NET Compact Frameworkに対応することで,携帯電話やハンドヘルド・コンピュータなどモバイル機器向けのアプリケーション開発が可能になる。

 次いで,2003年中には大きなバージョンアップが控えている。この新版はSQL Serverの次期版「SQL Server 2003(開発コードYukon)」のサポートが中心になる。YukonのエンジンはVS.NETのターゲット環境である.NET Frameworkと完全に統合される。従来,SQL Serverのストアド・プロシージャはSQL Server専用の難解なプログラミング言語「Transact-SQL」で書く必要があったが,YukonではVS.NET対応のどの言語でもストアド・プロシージャを書くことができるようになる。Yukon自体にもVisual Studioの特別版が添付される予定だ。

 さらに2005年ごろには次世代のWindowsである「Longhorn(開発コード)」に合わせて,Longhornの新しいユーザー・インターフェースに対応した新版も出る予定だ。