夏場はいつもコンピュータの販売が鈍る時分だが,新製品を完成させなければならないソフトウエアやPCの開発者にとっては,1年で1番忙しい時期だったりする。2002年のこの夏,Microsoftは主要製品について,いくつも重要なアップグレードやプレリリースを抱えており,しかもそのどれもがすぐに出荷される予定のものばかり。今までになく大忙しである。以下にどんな製品が控えているのかをまとめてみた。

 7月にはWindows 2000 Service Pack 3(SP3)とWindows .NET Server Release Candidate 1(RC1)がある。8月には重要なWindows XP SP1の出荷を予定している。これは来るべき2つの製品のリリース,「Windows XP Media Center Edition」(XP MCE,開発コード名はFreestyle)と「Windows XP Tablet PC Edition」の基礎を作るものだ。2つの製品はいずれも新しいハードウエアとともに2002年末に出荷される予定である。

 7月9日付けのWebニュースでも指摘したように,Microsoftは最近Win2K SP3の出荷をMicrosoft Installer(MSI)2.0の問題を理由に遅らせた(該当サイト)。Microsoftは7月4日の祝日前にSP3開発チームに内部で警告を送った後で,MSI 2.0をSP3の中に留めたまま,ベータ・テスターと内部のサポート・サービス部門からのフィードバックを基にスケジュールを立て直すことに決めた。同社は最近SP3 RC3 ビルド3.151をテスターに送ったところだ。このビルドはいくつかのセキュリティに関するバグの修正と,同社が米国司法省に提示した和解条件として必要な,Set Program Access and Defaultsインターフェースと,自動アップデートのサポートを含んでいる。

 Windows .NET Server RC1は,同社によれば「これから数週間」のうちのいつか出荷される予定である。関係者によれば,Microsoftは7月8日に社内でビルド3660を出荷し,先週それをテスターに手渡したという。このビルドはベータ・テスターがRC1で見られるはずのいくつかの変更,たとえば新しいServer Configurationアプリケーションや,新しいWebライクな管理用フロントエンド,Microsoft Internet Information Services(IIS)6.0のロックダウン・コピーなどを含んでいる。

 8月中旬に予定している重要なWindows XP SP1のリリースは,小売店が販売したり新しいPCに搭載される既存のXPを置き換える。XP SP1には,Windows Powered Smart Displaysとの互換性が必要とされるはずだ。XP SP1はさらにいくつかのセキュリティやバグの修正のほか,米国司法省が要求する変更や,ライセンス認証(Product Activation)の変更,新しい自動更新機能も含むはずである。