インテルは7月9日,サーバー向け64ビットCPU「Itanium 2」(開発コード名McKinley,写真)の量産出荷を開始した。Itanium 2はIA-64アーキテクチャを採用した「Itanium」(開発コード名Merced)に続く第2世代のCPU。2001年5月末にItaniumが量産出荷されてから約1年1カ月で第2世代を迎えたことになる。米Intelも7月8日(現地時間)に発表した。

 製品は,動作周波数と3次キャッシュ・メモリーの違いにより1GHz/3Mバイト,1GHz/1.5Mバイト,900MHz/1.5Mバイトの3種類がある。価格はそれぞれ52万5080円,27万9190円,16万6250円。

 Itanium 2で改良された点は(1)データ・バスを64ビット/266MHzから128ビット/400MHzへの広帯域化,(2)3次キャッシュ・メモリーを同一ダイ上に搭載,(3)整数演算ユニットを4から6へ増加--などの改良が加えられた。これにより同社は1.5~2倍の性能向上を発揮するとしている。

 Itanium 2で稼働するOSには,Windows XP 64-bit Edition,Windows Advanced Server,Limited Edition 1.2 日本語版(以下LE1.2),hp-ux11i version1.6,Linuxなどがある。hp-uxは8月に出荷開始。LE1.2は,現在開発中のWindows .NET Enterprise Server(64ビット版)に相当するもので,サーバー・メーカー向けに8月から出荷する。来年初めの出荷が予定されている“本命”のWindows .NET Server 64ビット版への無償アップグレードが提供される。Linuxは今年後半に配布開始の見込み。


 発表会場ではNEC,日立製作所,日本ヒューレット・パッカード(HP)の3社がItanium 2搭載マシン発表した。NECの新製品は最大32個のCPUを搭載する「TX7シリーズi9510」(開発コード名AsAmA,写真)など4機種。この製品は4個のCPUを搭載する「セル」(写真)と呼ぶブロックで増設が可能。また,この単位でハードウエアによるパーティショニングを実現する。他に,1または2個のCPUを搭載するラックマウント型サーバーを参考出品した。

 日立製作所が発表したのはHA8500シリーズ3機種で,搭載CPU数が最大2,4,8個と異なる。日立もMLPF(Multiple Logical Processor Feature)と呼ぶパーティショニング機能を持つ(OSはLinuxに限定)。

 日本HPはサーバー2機種と,ワークステーション2機種を発表した。サーバーは最大CPUが2または4個と,NEC,日立に比べて小規模向けシステム向け。同社はまず,自社開発CPUのPA-RISCを搭載したマシンをItanium 2搭載マシンで置き換えていく戦略だ。8個以上のCPUを搭載するサーバーは次期チップ・セットが開発完了する2003年に出荷予定。

(茂木 龍太=日経Windowsプロ)