米MicrosoftはWindows 2000のバグ修正プログラムであるService Pack 3(SP3)のリリースを延期した。同社の社内文書を目にする機会があり,それによると今のところリリース時期の見通しが立っていない状態にある。

 本来のスケジュールであれば,Windows 2000のSP3は7月17日にリリースされる予定であった。ところが,SP3に組み込まれる予定であった「Microsoft Installer(MSI) 2.0」にいくつかの重要なバグが発見された。そこで,MicrosoftはSP3からMSI 2.0を削除し,代わりに古いバージョンのMSI 1.1を組み込んだ。ベータ・テスターやパートナ企業の指摘がなければ,MSI2.0はSP3に組み込まれたままだったに違いない。この騒動が,SP3のリリース・スケジュールに悪影響を与えているのは明らかだ。

 社内からWindows開発チームに送信されたある1通の電子メールには,「私たちはまだMSI2.0の問題に直面している」と書かれている。「私たちが撤回計画を遂行する前に,私たちは顧客のために正しいことをしていることを確かめたい。私たちはパートナが利用できないようなものは望んでいない。そして,私たちは顧客の業務アプリケーションを壊すことも決してしない。私たちは正しい仕事を一所懸命してきた」と続いている。

 このMSIの混乱が解決されるまで,MicrosoftはSP3のリリースを無期限に延期するようだ。電子メールには「これはSP3のリリース・スケジュールに悪い打撃を与える」と書かれている。「そのため,私たちは今のところescrow build(以前release candidateとしていたもの)をリリースできない。私たちは今週早くに新しいスケジュールを明らかにする予定だ」と電子メールに書かれている。

 新しいスケジュール上で,最終的なSP3のリリースがどこに設定されているのかは分からない。少なくとも先週(7月1日の週)リリースされたビルド3.149は最終版ではないようだ。