日立製作所は2002年6月19日,高さ2U(1Uは約44.5mm)の薄型きょう体に最大16枚のCPUボードを搭載するブレード型PCサーバー「HA8000-bdシリーズ」を発表した。価格はCPUを搭載する「サーバー・モジュール(サーバー・ブレード)が23万1000円から,このモジュールを収容する「シャシー(ベース・ユニット)」が89万円から。

 ブレード型サーバーはCPUやメモリー,ハードディスクといった部品を基板上に搭載したサーバー・ブレードと,このモジュールを20枚前後収容するシャシーで構成される。CPUやハードディスクの実装密度を向上させるのが最大のセールス・ポイントになる。スペースや電力を削減できることで,都市部など設置場所に制限のあるユーザーをターゲットにしている。

 国内ではNEC,コンパックコンピュータ,富士通などが既にブレード型PCサーバーを発売しているがほとんどのメーカーのケースは3Uと,今回発表された製品(2U)に比べて高い。今回発表されたHA8000-bdは,1U当たり8枚のブレードが搭載でき,実装密度が上がっている。従来最も密度が高かったのは富士通製の同6.6枚(3Uに20枚。ただし富士通のブレードは1枚当たり最大2個のCPUが搭載可能)。

 サーバー・モジュール「HA8000-bd/200」はCPUに800MHzの超低電圧版Pentium III-M×1個,128M~1Gバイトのメモリー,20Gまたは40Gバイトのハードディスクを搭載する。ネットワークは100Mビット/秒のポートを1つ備える。Windows 2000 ServerまたはRed Hat Linuxをプリインストールしたモデルもある。シャシー「HA8000-bd/20U」にはスイッチ,マネジメント,電源の各モジュールを標準で1個搭載するが,最大各2個まで拡張して可用性を高められる。外部とのネットワーク・インターフェース用に1Gビット/秒のポートを2つ備える。専用の管理ソフトとマネージメント・モジュールで,障害監視やOSの一括インストールなどを実現する。

(茂木 龍太=日経Windowsプロ)