マイクロソフトは,Windowsにオンラインでパッチを適用できるWindows Updateサイトを社内に構築するソフト「Microsoft Software Update Services」(SUS)を来週にもWeb上で無償公開する。このソフトを使うと,インターネットとのトラフィックが削減できるだけでなく,社内のWindowsマシンに適用すべきパッチを管理者がコントロールすることができる。

 Windowsには,パッチをオンラインで適用するWindows Updateという仕組みがある。これは,Microsoftが用意しているWindows Updateサイトを参照して,システムの現在の状態と比較した上で必要と思われるパッチを一覧表示する機能である。ユーザーがその中から適用したいパッチを選択すると,インターネット経由でダウンロードしてきて適用される。

 SUSは,このWindows Updateサイトを社内に自由に設置できるようにするソフト。「SUSサーバ」というコンポーネントをインストールしたマシンが定期的にMicrosoftのWindows Updateサイトをチェックして,新しいパッチを発見すると自動的にダウンロードしてくる。それらのパッチの中から管理者が指定したものだけが実際に社内に公開される。これにより,各マシンがインターネット経由でダウンロードする必要がなくなるだけでなく,社内で適用すべきパッチを管理者がコントロールできるようになる。

 さらに,SUSを使うと管理者権限を持っていないユーザーが利用しているマシンに対してもパッチを適用できるというメリットがある。SUSを使ってアップデートしたいマシンには,あらかじめ「自動更新クライアント」と呼ぶエージェントを組み込んでおく。このエージェントがSYSTEM権限で動作するため,管理者権限を持っていないユーザーが使っている場合でもバックグランドで自動的にパッチのインストール作業を実行する。つまり,SUSを使うと社内に存在するWindowsマシンのパッチ適用状況をある程度統一することが可能になる。

 ただし,SUSで扱えるのは,MicrosoftのWindows Updateサイトで公開されている「重要な更新」のパッチや,複数のセキュリティ・パッチを統合した「Security Rollup Package」パッチに限定されており,ユーザーが勝手に自由なパッチを適用させることはできない。また,対象とするクライアントもWindows 2000またはWindows XPに限定される。

(根本 浩之=日経Windowsプロ)