米国シアトルでWindowsハードウエア技術者向けの会議「WinHEC 2002(Windows Hardware Engineering Conference)」が4月16日より開催された。会議は,米Microsoft プラットフォーム・グループのJim Allchinグループ・バイス・プレジデント(写真)による「I love technology」の宣誓で始まった。

 「市場の成長とともに,(Windows搭載製品開発者の)我々も伸びていく」。IDCの予測やTPC-Cのベンチマーク・テスト結果を引用して,Windowsが「Ecosystem」(デバイス接続環境)になると定義した。Windowsプラットフォームを普及させるために,Microsoftはエンタープライズ向けのサーバーからクライアント・パソコン,携帯電話やAV機器まで,従来通りハードウエアの仕様決定に積極的に関与していく方針を明確にした。また,この基調講演の中で(1)Windows .NET Serverがユーザーの手元に届くのが2003年になること,(2)次期Windows「Longhorn」(開発コード名)の出荷が2003年より後になることを明言した。

 同社 Windows eHome部門のMike Toutonghi副社長が行った今後のクライアント環境を紹介するセッションでも,「Longhorn」は2004年下半期というロードマップが示された。クライアント用OSとしては,2002年中に「Mira」「Freestyle」(以上2つは開発コード名)に対応するWindows XP Service Pack1(SP1),それにWindows XP Tablet PC editionを出荷する。

 今年のWinHECは,照明の制御からAV機器のコントロールまでを含む一般家庭内へのWindowsの浸透を目指した「Connected Home」,無線LANやBluetooth,IPv6などの「ワイヤレス・コミュニケーション」,デジタル・メディアやAV機器への対応,著作権管理など多くの時間を割いているのが特徴。なお,Bill Gates会長兼チーフ・ソフトウエア・アーキテクトの基調講演は最終日の18日に予定されている。

(茂木 龍太=日経Windowsプロ)