米Hewlett-Packard(HP)社の技術部門で64ビット・プロセッサItanium関連の戦略プランニングをしているDan Nordhues氏が3月14日に都内で会見。次世代ItaniumであるMcKinleyの登場を控え,HPで考えている今後の戦略を説明した。主な要旨は以下の通り。

 McKinleyはほとんど完成しており,今年の中頃には正式に出荷できる。McKinleyではバス幅の拡張や演算ユニットの追加,チップ上へのキャッシュの搭載などで,現在のItaniumに比べて総合的に約1.5~2倍の性能が実現できる。もちろんPA-RISCの開発は今後も続けていくが,性能面での向上がPA-RISCでは毎年30~50%程度なのに対し,Itaniumならば毎年80~100%の性能向上が期待できる。

 HPで開発しているMcKinley向けの周辺チップセット「hp zx1」は2週間前に米国で発表したばかりのもので,ボリュームが大きな市場にターゲットを絞って開発している。具体的には,CPU数は1~4個のマシンを想定しており,利用される用途も科学技術とビジネスのどちらでも大丈夫だ。利用できるOSも,Windows XP,Linux,HP-UXと3種類になる。オプションのメモリー拡張チップを使うことで最大256Gバイトまでのメモリーを扱える。

 Itaniumが売れていないという指摘があるが,RISCが登場したときも同様だった。開発コード名Mercedと言われていた今のItaniumは予定より出荷が遅れたこともあり,はじめてのチップとして市場に投入されたに過ぎない。64ビットの必要性に疑問を抱く人もいるが,サーバーのデータベース以外でもEDA(Electonic Design Automation)や機械設計といったデザイン分野でも必要としているユーザーはいる。

(根本 浩之=日経Windowsプロ)