3月12日から16日までサンフランシスコで「Embedded Systems Conference」が開催されている。マイクロソフトは「Windows CE .NET」と「Windows XP Embedded」(以下,XPe)のデモンストレーションを行った。

 12日に行った同社へのインタビューでは,2001年に組み込み製品の出荷は2倍に伸び,組み込み製品市場の20%を取ったという。今年1月初旬にリリースしたWindows CE .NETに関していえば,5万人がソフト・エミュレータをダウンロードした。これは開発者向けにPC上でWindows CE .NETのイメージを作り上げる。同社Embedded&Appliance Platforms Group,Megan Kiddプロダクト・マネージャによると,「我々は,従来のサイズが大きかったエミュレータをベースに,今度はたった3Mバイトの小さなエミュレータを提供する。これはアプリケーションの互換性をテストするのに使うもので,水曜日にダウンロードできるようにする」という。

 加えて,Microsoftは「CE Shared Source Program」を教育機関向けに拡張している。「Windows CE Shared Source Academic Curriculum Program」と呼ばれていて,学校向けにCEのソース・コードの一部を提供するものだ。「大学は,カリキュラムや教材にソース・コードの一部を印刷することができる」。

 同社はまたCEのデバイス・ドライバ開発者向けのコミュニティを作ろうとしている。LinuxやMozillaのような製品に育てたオープン・ソース・コミュニティにいくらか似ている。デバイス・ドライバのプログラムはWebサイト上にあり,ISVが自由に手に入れて,他の開発者にも還元することができる。また,ドキュメント,互換性リスト,ホワイト・ペーパーなどの情報も得られることができるようにするという。

 一方,XPeに目を転じると,XPeのSP1のリリースがあるが,今年後半にあるWindows XP SP1のリリースと一致する。CE .NETのマイナー・アップグレードは,開発コード名「Jameson」と呼ばれるもので出荷は2002年遅くになる。追加機能として,IPv6のサポート,SMS(Systems Management Server)クライアント機能,様々なOffice文書のビューワなどが用意される。

 同社の流れは,Windows 2000 Server Appliance Kitを置き換える製品として,Windows .NET Serverベースの「Windows .NET Server with Server Appliance Kit 3.0」を2002年暮れに出すことだ。これでまた1つ .NET Serverファミリーが増える。

 Visual Studio .NETは,組み込み向けの開発を取り込むため,いくつかのアップデート方法が行われる予定だ。スマート・デバイスを拡張するためのセットが2002年末に出荷される。また,「 .NET Compact Framework」の最終版が2002年終わりまでには陽の目を見るだろう。