富士通は,Microsoft .NET対応のCOBOL製品「NetCOBOL」を今年の第2四半期にも提供する。3月4日に開催したプレス向けの説明会で明らかにしたもの。これまでPowerCOBOLの名称で提供してきた製品を,マイクロソフトの.NET Framework環境にいち早く移植する。

 これにより,富士通としては「今後もCOBOLに力を入れていくことを伝えたい」(ソフトウェア事業本部ミドルウェアソリューション事業部長付兼富士通インフォソフトテクノロジ プロジェクト統括部長の内田正章氏)としている。つまり,メインフレームなど既存のCOBOLユーザーに対しても,.NET環境をはじめとする新しいシステム開発にも対応できるソリューションを積極的に提供していく狙いだ。この方針に沿って,今後SolarisやWindowsネイティブといった.NET以外の環境向けにも,同様のNetCOBOLを提供していく予定である。

 今回の.NET対応NetCOBOLでは,既存のCOBOL資産を活かしながら,XMLやWebサービスといった.NET向けの機能を簡単に付加できるようにする。例えば,XML形式でバラバラにやり取りしたデータをブロック単位にまとめてCOBOL向けのレコードにしたり,既存のCOBOLアプリケーションから直接SOAPを使った通信ができるようにする。これにより,ビジネス・ロジックの部分をCOBOLで記述するだけで,.NET Framework向けのアプリケーションが開発できる。

 .NET対応NetCOBOLは,Visual Studio .NET向けの言語製品となる。クラス・ライブラリなどの開発・実行環境は,Visual Studio .NETと同じものをMicrosoftからライセンスを受け製品にバンドルする。これにより,Visual Basic .NETやVisual C# .NETとほぼ同じ環境でCOBOLを使った開発ができるようになる。作成したアプリケーションは.NET環境向けの中間言語として生成する。

(根本 浩之=日経Windowsプロ)