標準化団体のHyperTransportテクノロジー・コンソーシアムは12月10日,これまで標準化を進めてきたPC内部のチップ間I/Oインターフェースの仕様「HyperTransport I/O Link Specification Revision 1.03」を決めた。仕様書はロイヤルティ・フリーで公開される(該当サイト)。

 HyperTransportは,PCやPCサーバーあるいはスイッチ装置などに搭載する半導体チップ間のI/Oインターフェースを決めるもの。データ転送速度は,片方向の信号幅32ビット(両方向64ビット),同期周波数1.6GHzの時,両方向合わせて12.8Gバイト/秒になる。

 このようなチップ間の高速なデータ入出力の仕様は,CPUの高速化やデータ通信の高速化に伴い,標準化が求められていた。HyperTransport以外にも,PCI-SIGが進める「3GIO」やInfiniBand Trade Associationの進める「InfiniBand」などの標準仕様があり,HyperTransportと一部で競合する。

 これまで米AMDが同仕様の1.02を公表していたが,新版が複数企業の参加するコンソーシアムから出た意義は大きい。今後公表が予定されている電気仕様の策定なども進めば,コンピュータやネットワーク関連の半導体設計者による,HyperTransport製品の開発が進むだろう。

(木下 篤芳=日経Windowsプロ)