日本ユニシスは11月20日,プライベート・セミナーで同社の大型PCサーバーES7000に64ビット・プロセッサ「Itanium-800MHz」32個を搭載し,「Windows .NET Datacenter Server 64bit Editionベータ2」上でアプリケーション・ソフトを動かすデモを行った。Itaniumを搭載するマルチプロセッサのPCサーバーはNECが16個,日立製作所が8個の搭載機を発表しているが,32個は日本ユニシスだけだ。

 使用したソフトはSAS社のWebログ分析レポーティングツール「WebHound」と,ビジュアル型データ解析ツール「SAS/INSIGHT」の64ビット版。前者に28個,後者に4個のプロセッサを割り振って実行させた。

 ES7000は,2000年7月に発売された32個までのプロセッサを搭載できる世界最大級のPCサーバー。銀行やCRM用途など127台を国内出荷している。1つのユニットに4個のプロセッサを搭載して,1つのきょう体に8つのユニットを内蔵できる。既存のシステムもユニットを交換することで,64ビット化できる。またアプリケーション・サーバーに32ビット,データベースに64ビットを割り当てるといった混在使用も可能だ。

 Itaniumを使用するメリットは(1)32ビットでは疑似的に64Gバイトまでのメモリーが扱えたが,Itaniumでは16Tバイトまで直接アクセスできるのでオーバーヘッドをなくせる,(2)リコンパイルするだけで速度向上が期待できる,(3)3次キャッシュを内蔵している(Xeonは2次まで)などである。性能向上は現在評価中としながらも「1.5倍程度と見込んでいる」(米UnisysでES7000開発を担当したVice PresidentのLeo C Daiuto)。

 価格はXeonを搭載した現行機の「2倍以下にしたい」(岡本 光正ESビジネス推進部長)という。出荷開始はWindows .NET Serverに併せて2002年内としているが,ユーザーからの引き合いが多いので64ビット版の「Windows Advanced Server,Limited Edition」を搭載して評価/開発用として出荷することを検討している。今後の拡張計画として64個のプロセッサの搭載,1Tバイトのメモリー,PCI-XやInfinibandのサポートなどを予定している。

(茂木 龍太=日経Windowsプロ)