Windows XP Home Editionで「Administrator」というユーザー名の管理者アカウントにパスワードを設定しない利用者が相次いでいる。このユーザーは自動的に作成されるが,標準のユーザー・アカウントの管理ツールには表示されない。存在が分かりにくい半面,初期設定でパスワードがないので,パスワードでマシンを保護する用途でも設定を忘れ,第三者に悪用される恐れがある。

 XP Home Editionでは,「Administrator」のパスワードは,非常に付け忘れやすい。このユーザーは,[コントロールパネル]の[ユーザーアカウント]というツールで見えないほか,インストール時にもパスワードを指定する画面が出ない。Windows 9x/Me系列のOSでは存在しなかったアカウントなので,利用者がAdministratorアカウントの存在自体に気が付いていない場合も多い。

 さらに,XP Home Editionでは,Administratorアカウントが一見無効に見える。通常のネットワーク経由のログオンやキーボードからログオンでは利用できない制限がかかっている。しかし,XP HomeでもAdministratorアカウントはセーフ・モードで利用可能だ。セーフ・モードで起動すると,Administratorが表示され,管理者としてログオンできる。そこから他の管理者アカウントのパスワードを変更などすれば,あとは,他の管理者アカウントで普通のログオンが行える。

 Administratorのパスワードは,管理者ユーザーでログオンしてNet Userコマンドを実行するか,セーフ・モードで起動して[コントロールパネル]の[ユーザーアカウント]から作成する。セーフ・モードで起動すると,Administratorは,管理ツールの画面に表示されるようになる。

(干場 一彦=日経Windowsプロ)