photo1  最近恒例になっている新OSの“解禁日”に行われる深夜の販売開始イベントが今年も行われた。マイクロソフトが発売する「Windows XP 日本語版」のパッケージは,11月16日に出荷開始だが,一足早く10月25日にOEM版の販売が開始された。

 OEM版は,元来プリ・インストール用としてパソコン本体に添付されるものだが,現在ではCPUやメモリー,ハードディスク,マザーボードなどパソコンを構成する部品と同時なら購入できるようになっている。またパッケージ版がインストール作業時に既存の環境を引き継ぐ「アップグレート インストール」と「新規インストール」から選択できるのに対して,OEM版はその性格上新規インストールしか選択できないという違いがある。

photo2  秋葉原では九十九電機 eX.店やT・ZONE PC DIY SHOP店などパーツ・ショップ10店舗ほどが深夜販売を行った。混乱を避けるため数店が前日(24日)の午後11時から引換券の発行による予約販売を始め,25日午前0時から一斉にXP OEM版の引渡しや直接販売が開始された。午前零時間近,一番集客があった九十九電気 eX.店頭に設置された商品引渡し所では,引き換えを待つ人と商品引渡しの瞬間の撮影を狙うマスコミでいっぱいだったが,十数分後には人影もまばらになり,販売終了の午前1時前には閑散とした状態になった。

 販売されたのは「Windows XP Home Edition」と「同 Professional」,拡張キットがセットの「同 Professional with Plus!」の3種類。価格はそれぞれ1万2800~1万3800円,1万7300~1万8800円,1万8800~1万9000円程度。多くの店で約1000(64MバイトのSDRAM)~2000円(256Mバイト)のメモリーと抱き合わせで,販売されていた。インストール時に必要なプロダクト・キーは外装のビニールにシールで張られている。捨てないように注意が必要だ。販売状況に関して九十九電機 販売促進部の後藤 大和部長は「Windows 98やMeのときより盛り上がっている。特にWeb通販が好調で,既に1万本近くの注文を受けている」という。

 深夜の販売数は九十九電気で「500本前後」(後藤氏),他店で50~200本程度で,秋葉原全体で2000本弱を販売したと見られる。また「Home Editionの割合は1割以下」(T・ZONEを経営するCSK・エレクトロニクスのマネージャ佐藤 大吾氏)とOEM版を解禁日に買う層のお目当てはProfessional版だったようだ。同店では価格差が少ないこともありProfessionalのみのOEM版は取り扱っていなかったが,他店でも圧倒的にProfessional with Plus!が売れたという。なお,パッケージ版にはPlus!の同こんの用意はなく,4800円程度で単独販売される。

(茂木 龍太=日経Windowsプロ)