最近問題となっている「Code Red」や「Nimda」などのワーム。ここ数カ月で被害状況は数十万台,数百万台とも言われる。かつてない深刻な被害をもたらしている。

 これを受けて,マイクロソフトは10月12日,セキュリティ対策プログラム「ストラテジック テクノロジー プロテクション プログラム」(STPP)を発表した。このプログラムはマイクロソフト1社ではなく,ウイルス対策ソフト・ベンダーやハードウエア・ベンダー,インターネット・サービス・プロバイダなどと協力した取り組みである。Windows関連製品に限らず,他のプラットフォームも対象にするという。

 STPPは2つのフェーズに分けて実行する。最初のフェーズはセキュリティの確保(Get Secure)。この段階では,セキュリティを強化するツール群や修正モジュール,セキュリティに関する技術資料などを提供し,既知のセキュリティ・ホールなどを防ぐ。最初に,Windows製品のセキュリティを高めるツールやドキュメント類を収めた「Microsoft Security Tool Kit」日本語版を,10月22日から同社のWebサイト(該当サイト)で提供開始する。

 同キットには,パッチの適用状況などをチェックする「HFNetChk」,WebDAVの無効などInternet Information Server/Services(IIS)の機能を一部制限することでセキュリティを高める「IIS Lockdown Tool」,IISに送信されるHTTPリクエストに含まれる文字列をフィルタリングする「URLScan Security Tool」などが含まれる。

 無償セキュリティ・サポート・ホットラインも開設する。現在2つの相談窓口を緊急で設けているが,常設化する方向だ。このほか,「セキュリティ アセスメント プログラム」(年内)やEnterprise Security Tool(2002年第1四半期)などを提供する予定で,セキュリティ確保にあたる。

 フェーズ2は,セキュリティの維持(Stay Secure)。ここでは,今後新たに発見されたセキュリティ・ホールなどに対応する修正モジュールなどを提供していく。Windows 2000のセキュリティ・ホールを一括修正する「Windows 2000 Security Rollup Patches」や「Windows 2000 Serviec Pack 3」などを2002年の上半期に提供していく予定だ。

(小野 亮=日経Windowsプロ)