米Transmetaは10月15日,低消費電力型x86互換プロセッサCrusoeの新型「TM6000」を発表した。TM6000はチップ・セットとグラフィックス機能を統合し,最大1GHzで動作する。出荷開始は2002年下半期。

 同社社長兼CEOのMark Allen氏は「軽量で高機能なノート・パソコン,タブレットPCのような小型機器,(ラックマウント型のような)高密度実装のサーバー,組み込みシステムなどに向く」と,多くの製品での採用を期待している。

 従来のCrusoeはチップ・セットのうちのノース・ブリッジという部分だけを統合していた。これに対して,TM6000は2つのチップ・セット,およびグラフィックスとCPUの計4チップで実現していた機能を1つに集約している。これにより,少ない面積での実装が可能になったほか,同社の省電力技術「Long Run」の適用範囲が広くなり,バッテリーによる稼働時間の延長が実現する。

 また「TM5800」の出荷時期と新たに高速動作版の発表を行った。TM5800は700M~800MHzが既に発表済みだったが,今回1GHz版を2002年上半期に出荷することを明らかにした。800MHz以下のTM5800は今四半期中に出荷するとしており,10月12日に発表されたソニーの携帯型ノート「PCG-C1MRX」には733MHz動作版が搭載されている。

(茂木 龍太=日経Windowsプロ)