米Borland Softwareは9月28日,Java関連製品をWebサービスの開発・運用プラットフォームとして強化していくことを発表した。Microsoft .NETにも対応する。具体的には,Java開発環境「JBuilder」およびJ2EE(Java 2 Platform,Enterprise Edition)対応のアプリケーション・サーバー「AppServer」をそれぞれWebサービス関連の各種標準技術に対応させていく。

 JBuilderについては,既にWindowsネイティブ環境での対応を済ませているObject Pascal開発環境「Delphi 6」の強化に準じたものになると見られる。Delphi 6には,SOAP(Simple Object Access Protocol)ベースのWebサービスを容易に開発するためのウィザードや,既存のWebサービスをUDDIなどのディレクトリ・サービスから容易に引き出してシステムに組み入れるためのWSDL(Web Services Description Language)の読み込み機能などが組み込まれている。なお,Borlandはこれに先立つ8月30日に,Linuxのネイティブ環境についてもDelphi互換のObject Pascal開発環境「Kylix」をWebサービス向けに強化することで対応していくと発表している。

 一方,AppServerへの拡張は,Webサーバーが受け取ったWebサービス呼び出しをAppServerにディスパッチするための連携機能が中心になると見られる。従来からのAppServerの特徴だったCORBA(Common Object Request Broker Architecture)やJ2EEを統合した分散アプリケーションを,容易にWebサービスとして公開できるようになる。JBuilderの機能拡張と合わせて,外部のWebサービスをAppServer環境に組み入れることもできるようになる。

(斉藤 国博=日経Windowsプロ)