マイクロソフトの企業ユーザー向けライセンス制度「ソフトウエア・アシュアランス(SA)」が10月1日から始まるのに伴い,同社の全製品のアップグレード・ライセンスの販売がいよいよ今日9月28日までとなった。サーバー製品旧版の販売も多くが本日で終了する。旧製品はまだ入手自体は可能だが,コストが変化するものが多い。販売終了製品の注文は本日までなので注意したい。

 ソフトウエア・アシュアランスは,企業向けのボリューム・ライセンス制度(Open LicenseやSelectなど)を基本的に簡素化するのが目的とされる(該当サイト)。現行は,一度新規ライセンスを買うと,次からはアップグレード・ライセンスを購入することで割安に新版を入手できる。ただし,アップグレード・ライセンスの種類が年々増えて複雑になっていたという。

 新制度では,基本的にアップグレード・ライセンスを廃止する(アップグレード・アドバンテージのみ来年2月まで)。Officeなどあらゆる製品が対象になる(Windows 2000 Professionalのみアップグレード・ライセンスあり)。代わりに新制度では,新規ライセンスとともに「ソフトウエア・アシュアランス」を買うことでその有効期間中は,何度でも次期バージョンにアップグレードできるようになる。有効期間満了時には,ソフトウェア・アシュアランスを更新することも可能だ。逆に新規ライセンスしか買わないと,次のバージョンも新規ライセンスで購入することになる。例外は,Visual Studioなどの開発ツール関連で新規ライセンスのみになる。ソフトウエア・アシュアランスはないので,マイクロソフトは更新料金が用意されているMSDNの購入を薦めている。

 制度変更は,企業向けライセンス制度の変更なので,小売店頭などで売られるパッケージにはバージョン・アップグレード版が基本的に用意される。購入量と実勢価格によってはこれを利用することでコストを削減することも可能だろう。例外は,サーバー製品で,これに関してはパッケージのアップグレード製品の提供が終了する。したがって,サーバー製品ではボリューム・ライセンスも含めてアップグレード価格での販売はなくなることになる。

 本28日は,サーバー・アプリケーションで現行版より1つ前のバージョンの製品の販売が終了する日でもある。例えば,SQL Server 7.0,Proxy Server 2.0,Site Server 3.0,SNA Serverなどが該当する。Exchange Server 5.5は既に3月で販売が終了している。また,BackOffice Server 2000は「製品そのものを見直す」ために現行版ながら販売が終了する(該当サイト)。

 ただし,サーバー製品旧版も入手そのものはまだ可能だ。例えば,SQL Server 7.0は,SQL Server 2000のライセンスと同7.0のディスク・キットを購入することで,7.0のシステムを構築できる(該当サイト)。マイクロソフトによると「ディスク・キットの在庫が尽きた場合に旧版が利用できなくなる可能性はあるが,その場合でも杓子定規に対応することはない」という。

補足:販売終了製品にWindows NT Server 4.0およびWindows NT Server, Enterprise Edition 4.0,Windows NT Server 4.0, Terminal Server Editionを追加します。入手・利用はWindows 2000 Server製品およびディスク・キットの購入とダウングレードにより可能です。

(干場 一彦=日経Windows 2000)