米Adaptecとストレージ・ネットワーク機器ベンダーの米Inrange Partnerは9月7日,SAN(Storage Area Network)を拡張するためのFCIP(Fibre Channel over TCP/IP)スイッチを共同開発することを表明した。共同開発は,Adaptecの持つIPストレージのチップ技術を,Inrange PartnerのFCIPスイッチ「IN-VSN FC/9000」に実装する形で行う予定。製品化時期は未公表。
FCIPは,Fibre ChannelのパケットをTCP/IPに入れて送る技術。FCIPスイッチを利用すれば,離れた場所のSAN同士をIPネットワークでつなぐことができる。ギガビットEthernetなどの高速ネットワークと併用すれば,SANのデータを遠隔地のデータセンターにバックアップすることが可能だ。
FCIPは,現在IETF(Internet Engineering Task Force)が仕様を審議している段階。しかし,2001年5月にストレージ・ネットワーク機器ベンダーの米EMCと米CNTが最初にFCIP関連製品を発表した。Adaptecと米Inrange Partnerがこれに続き,同市場への参入を表明することで,FCIPが遠隔地のSANをつなぐ有力な標準技術になる可能性が高まったと言える。