Windows 2000 Professionalのプリインストール機を今と同じように入手できるのは,2003年3月末までとなることが,米Microsoftのホームページで明らかになった。この中でデスクトップOSのライフ・サイクルに関するガイドラインを提示しており,Windows 2000は2003年3月31日以降,「延長フェーズ」と呼ばれる提供期間に入るという(該当サイト)。

 Microsoftは,クライアントOSの製品発売からサポート終了までを,「メインストリーム・フェーズ(米国での発売後3年間)」,「延長フェーズ(メインストリーム・フェーズ終了後1年間)」,「非サポート対象フェーズ(延長フェーズ終了後1年間以上)」の3つに分けて,製品ライフ・サイクルのガイドラインとしている。「ユーザーは,OSがいつまで提供されるのかという情報を必要としている。ユーザーのクライアントPC導入計画に役立ててもらうため,ガイドラインによって提供期間を明確にした」(マイクロソフトのプロフェッショナルサポート本部戦略計画部の沼口繁部長)という。

 延長フェーズになると,OSのライセンスはマイクロソフトのOEM製品正規販売代理店経由でPCメーカーに提供されるようになる。その結果,延長フェーズに入ったOSがプリインストールされたPCを新規に導入しようとすると,メインストリーム・フェーズに比べ購入価格が高くなってしまう。例えば,2000年末に延長フェーズに入ったWindows 95の場合,Windows 98などをインストールしたモデルの2万円増しで提供されている(関連記事)。

 延長フェーズでは,提供されるサポートも変わる。無償サポートはなくなり,プレミア・サポートや年間契約サポート・サービスといった有償サポートと,オンラインでのサポート技術情報が提供されるだけだ。新規の修正モジュールは有償のみの対応になる。

 非サポート対象フェーズになると,製品は延長フェーズと同様にOEM製品正規販売代理店経由で提供されるが,有償サポートはなくなり,オンラインでのサポート技術情報の提供だけになる。Windows 95は2001年末に非サポート対象フェーズに入る。 さらにこのフェーズも打ち切りになることがある。

 マイクロソフト日本法人のホームページにあるガイドライン(該当サイト)には,Windows 2000の延長フェーズについてはまだ明記されていないが「ガイドラインが示す期間は全世界共通となる」(沼口部長)。ガイドラインによると,Windows 98/98 Second EditionとWindows NT 4.0も,来年6月末には延長フェーズに入ることが明らかになっている。

(森重 和春=日経Windows 2000)