ネットワールドは8月2日,米VMwareの仮想マシン・ソフト「VMware GSX Server for Windows NT/2000」の国内販売を開始した。VMware GSX ServerはWindows NT/2000 Server上で,仮想マシンを実現し,複数のOSを独立して実行できるソフト。

 VMware GSX Serverの仮想マシンには,MS-DOSやWindows,Linuxといった様々なOSをインストールして動かすことができる。特にサーバーOSにも対応しているのが特徴で,Windows NT 4.0 Server,Windows 2000 Server/Advanced Server,Windows 2002 Server(BETA2)などを仮想マシン上で稼働できる。また,複数の仮想マシンを同時に動かすこともできる。

 ワークステーション向けのVMware Workstation ver.2.0に比べて,処理性能が高く,Webベースの管理ツールにより容易な操作が可能。またLAN上の別のマシンから仮想マシンのリモート管理ができる。また,利用できる仮想ディスク容量も最大64GBまでと大幅に大容量化されている。

 VMware GSX Serverの使い方の1つとして,テスト環境の構築が挙げられる。例えば,サーバーの設定を変えてアプリケーションの動作検証をする場合,仮想マシンをボタン1つでコピーできるので,物理的にマシンを用意するのに比べて,簡単にテスト環境を構築でき,検証作業がスムーズに運ぶ。

 もう1つの用途として,複数台のサーバーを1台に統合することが挙げられる。異なるOSで動いているWebサーバー,メール・サーバー,プロキシ・サーバーなどのサーバー・アプリケーションを仮想マシンで運用することにより,サーバーが物理的に1台で済む。仮想マシンでは1つがダウンしても仮想マシン同士が独立しているので可用性を保てるうえ,バックアップの仮想マシンをすぐに用意できるといったメリットもある。実際に米国では,このようなサーバー統合により,システムのコストを大幅に削減している事例もあるという。

 同社ではVMware社製品のオンライン販売を行っているが,GSXについてはパッケージ販売のみ。標準価格は39万8000円で,学校法人ユーザー向けのアカデミック・パックは21万8000円。

(木下 篤芳=日経Windows 2000)