マイクロソフトは,7月31日,次期クライアントOSであるWindows XP日本語版を11月16日に発売すると発表した。米国では10月25日発売なので,約3週間の遅れで出荷する。64ビット版も同時に出荷する。

 Windows XP日本語版の価格は未定。価格は9月19日(パソコンなどの展示会「WORLD PC EXPO 2001」の初日)に発表する予定である。

 Windows XPを発売する前には,製品候補版であるRelease Candidate 1(RC1)を配布するWindows XPプレビュー・プログラム(WPP)を開始する。開始時期は8月6日。マイクロソフトの営業担当者及びパートナ企業を通じて,企業ユーザーに配布する。MSDNやTechNet Plusに加入していれば,WPPに合わせてRC1を入手できる。配布数は約5万枚になる。

 WPPは企業ユーザーの早期評価を目的としており,個人ユーザー向けに雑誌にCD-ROMを添付するなどでの配布は行わない。

 企業ユーザー向けにWPPを実施しても,Windows XPへの移行はWindows 2000の場合と同じく緩やかに進みそうだ。「現状の企業ユーザーには,Windows 95などで動く古いプログラムをWindows 2000に移行している段階のところも多い。その場合,Windows 2000に移行してからWindows XPの検証を始めることになる。そのため,本格的に移行するには1年から2年の時間が必要になるだろう」とマイクロソフトの阿多親市社長は予測する。

 マイクロソフトが企業ユーザー向けに注力するのは,11月16日のWindows XP発売後である。企業の予算策定時期に当たることもあり,企業ユーザーにWindows XPを浸透させることを狙っている。Windows XP発売までは,コンシューマ向けのプロモーションに特化する。

伊藤 康生=日経Windows 2000