マイクロソフトは,次期デスクトップOSであるWindows XPが標準でJava VM(Java仮想マシン)を搭載しないことを明らかにした。Java VMは米Sun Microsystemsが開発したJavaで書かれたプログラムの実行環境。Java VMがないと,JavaアプレットなどJavaプログラムを実行することはできない。

 Windows XPでJavaプログラムがまったく実行不可能になるわけではない。(1)Windows XPのユーザーはJava VMをダウンロードしてインストールする,(2)PCメーカーがWindows XP搭載パソコンにJava VMを追加インストールして出荷する,などは可能になっている。

 例えば,Microsoft製のJava VMを必要とする場合はダウンロードして追加インストールするよう表示される。また,企業ユーザーの場合,パソコン導入の際にあらかじめJava VMをインストールしたマスター・イメージを使用することでJavaプログラムが実行可能なパソコンを効率的に大量導入できる。そのため,「ユーザーに対する影響はきわめて少ないと考えている」(マイクロソフト)という。

 マイクロソフトは今回の行動を「Sun Microsystemsとの間に成立したJavaライセンスに関する和解に従い,その内容を速やかに履行するもの」としている。今年1月に成立したこの和解では,マイクロソフトが将来Javaの利用をやめる内容である(該当サイト)。ただし,その一方で今後7年間はJavaを使い続けられることにもなっている。予想以上に早く履行に着手したことに対しては様々な議論を呼びそうだ。

(干場 一彦=日経Windows 2000)