米Microsoftは7月11日,WindowsをPCベンダー各社にOEM供給するときのライセンス方式を変更すると発表した。PCにWindowsをプリインストールする際,ベンダーが様々なカスタマイズを加えられるようになる。例えばInternet Explorerをスタート・メニューから削除したり,デスクトップにベンダー独自のアイコンを配置したりすることが許される。

 これは反トラスト法違反を巡る控訴審における,6月28日の判決を受けた措置である。連邦高裁の判決は,Microsoftの2分割を命じた連邦地裁の判決を破棄し,再審理を求めるものだったが,同時にOEMライセンス条項でサード・パーティ製Webブラウザの普及を阻害している部分があることも指摘していた。

 Microsoftが発表した変更点は主に3つ。1つは,プリインストールしたWindowsのスタート・メニューからInternet Explorerへのリンクを削除した状態で出荷できること。次に,Windows XPのデスクトップにPCベンダーが自由にアイコンを配置して出荷できること。3つ目は,Windows XPに,コントロール・パネルの[アプリケーションの追加と削除]でIEをインストール/アンインストールできる機能を組み込むことだ。

 IEをコントロール・パネルからアンインストールする機能は,今年7月から8月にかけてリリース予定のWindows XP RC2に組み込まれる。なお,これらの変更に伴ってWindows XPの開発/テスト作業が若干増えることになるが,米国での製品出荷は予定通り10月25日に開始するとしている。

 米Compaq Computer,米Dell Computer,米Gatewayなど大手PCベンダーは,Microsoftのこの措置を歓迎するコメントを寄せている。このほか7月12日に,反トラスト法訴訟の原告となった州の1つであるニュー・メキシコ州は,訴訟費用をMicrosoftが全額負担するなどの条件で同社と和解した。

斉藤 国博=日経Windows 2000