日本オラクルは7月11日,リレーショナル・データベース管理システム(RDBMS)の新版「Oracle9i Database」などの出荷を10月1日から開始すると発表した。出荷開始時期はプラットフォームごとに異なる。Solaris版から出荷を始め,Windows NT/2000版の出荷開始は11月の予定。

 Oracle9i Databaseは現行のOracle8iの後継製品に当たる。400種類の機能を新たに追加した。特に「Real Application Cluster」と呼ぶ機能を追加したことで,複数のサーバーを並列に動かしたときのパフォーマンスが大幅に向上した。オラクルのテストでは4ノード構成にしたときの性能が,1ノード構成の場合に比べ355%に向上したという。従来版のOracle8iで並列サーバー機能「Oracle Parallel Server」を利用した場合は200%程度にとどまっていた。

 併せて,1月から出荷を開始していたアプリケーション・サーバー「Oracle9i Application Server」の改定版(R1.0.2.2)も発表した。改定版はJavaベースのサーバー・アプリケーション環境J2EE(Java 2 Platform,Enterprise Edition)に完全に準拠したほか,パフォーマンスも大幅に向上した。SOAP(Simple Object Access Protocol)にも対応し,外部のWebサービスと容易に連携できる。Webページの呼び出しを高速化させるキャッシュ機能も強化した。米Akamai Technologiesと共同で開発したキャッシュ技術「ESI(Edge Side Include)」を組み込んだことで,動的なWebページをより効率的に生成できるようになった。全プラットフォームで10月1日から出荷する。

価格はOracle9i Databaseが16万円(5指名ユーザー)から。プロセッサ・ライセンス(1CPUあたり162万円から)も用意する。Oracle9i Application Serverは7万円(10指名ユーザー)から。プロセッサ・ライセンスは1CPUあたり60万円から。

斉藤 国博=日経Windows 2000