独立系コンピュータ機器テスト・コンサルティング会社の米National Software Testing Laboratories(NSTL)は,Windows 2000標準のデフラグ機能と米Executive Softwareのデフラグ・ソフト「Diskeeper 6.0」を比較検証したレポートをこのほど無償で一般に公開した。双方ともディスクのフラグメンテーションを解消する機能があるが,Diskeeperの方が効果が高いとしている。

 ディスク上のファイルは,システム管理上複数の細かい単位に分割されて記録される。1つのファイルを構成する記録単位がディスク上の離れた場所に分散していると,読み出しなどに時間がかかる。これがフラグメンテーションである。新品のディスクにファイルを書き込むと連続した領域に記録され読み出し時間も短縮されるが,使い込んでいくとフラグメンテーションが起こりやすくなる。デフラグ・ソフトを使ってフラグメンテーションを解消することで,新品のディスクのようにアクセスを高速化できる。サード・ベンダーのデフラグ・ソフトが競っているのは,処理時間の短さや処理領域の広さである。

 NSTLが行ったテストの環境は,9Gバイトの単体ディスク,30GバイトのソフトウエアRAID,150GバイトのハードウエアRAID,60GバイトのハードウエアRAID2基の4種類。これらに対し,人為的にフラグメンテーションを起こし,それを解消させた。例えばフラグメンテーションを起こした9Gバイトの単体ディスクをデフラグした場合,Windows 2000標準の機能では,デフラグ処理に1時間34分かかるが,Diskeeperでは32分で済むという結果になっている。

 デフラグの領域もDiskeeperが広範囲に及ぶ。Diskeeperは,4つのテスト環境のうち3つで完全にフラグメンテーションを解消し,1つのテスト環境でもわずかしか残さなかった。これに対し,Windows 2000の標準機能では,4つのテスト環境すべてでフラグメンテーションが残ることが示されている。Windows 2000の標準機能にはシステム・ファイルのデフラグ機能がないなどが原因だ。レポートはNSTLのWebサイト(該当サイト)などからダウンロードできる。

(干場 一彦=日経Windows 2000)