米Microsoftは,Windows XPとInternet Explorer 6(IE6)にスマート・タグ機能を組み込まないことを明らかにした。スマート・タグはOffice XPの目玉機能として組み込まれたユーザー・インターフェースである。入力/表示されたテキストやユーザー操作に応じて,次に呼び出す可能性の高い機能へユーザーをナビゲートするものだ。Windows XPやIE6への組み込みについては,ユーザーのWebアクセスがMicrosoftのコントロール下に置かれてしまうとして論議を呼んでいた。

 スマート・タグはOffice XPにも組み込まれているが,Office XPに関しては別段批判を浴びなかった。ほとんどのOffice文書が,個人やごく限られたチーム内のユーザーの手で作られるものだからだ。一方,Windows XPに組み込まれるスマート・タグは,IEで表示するあらゆるWebページに対して動作するものだった。これがなぜ問題かというと,Webページの作成者が意図しないようなハイパーリンクをWebページに付加できてしまうためである。コンテンツ提供者の意図に関わらず,Microsoftが好きなようにリンクを張ってしまうのではないか,という点が懸念されていた。

 Microsoftはこれまでに,スマート・タグ機能に対して何度か方針を転換してきた。最初はデフォルトでWindows XPとIE6のスマート・タグを有効にして出荷する計画だった。ところが批判が集まったため,スマート・タグの機能は残すものの,デフォルトでは無効にした。さらにWebマスターが自分のサイトのWebページをIE6で表示させたときに,スマート・タグをオフにする機能も付けるとしていた。このように,Microsoftは批判に対して一定の譲歩はしてきたが,それでも十分とは受け止めてもらえなかったようだ。