東京ビッグサイトで6月27日から29日まで開催されているデータストレージEXPOで,iSCSI製品が注目されている。SAN(Storage Area Network)やNAS(Network Attached Storage)の関連製品が多い展示会であるが,今年はiSCSI製品が3番手として一角を占めている。iSCSIは,TCP/IPのパケットにSCSIのコマンドを組み込むことで,LAN経由でSCSIのストレージ機器を利用する技術。

 iSCSI対応のディスク・アレイ製品では,出荷を目前に控えた日本IBMのiSCSI対応ディスク・アレイ「IP Storage 200i」が注目されていた。100Mビット/秒のEthernetで接続されたIP Storage 200iを,Windows 2000の稼働するサーバー・マシンからNTFSのローカル・ドライブとして利用していた。他にもマクニカのブースでは,米3wareのiSCSI対応ディスク・アレイ「Palisade」を出品し,1Gビット/秒のEthernetスイッチに接続してデモンストレーションを行っていた。

 東京エレクトロンのブースでは,米EmulexのiSCSI専用アダプタ「GN9000/SI」が目を引いた。通常,サーバー・マシンがiSCSI対応ストレージを利用する場合,LANアダプタを経由してLANに接続するだけであるが,サーバー・マシンにiSCSI専用アダプタを組み込み,iSCSI対応ストレージを利用すると,よりアクセス性能が引き出せるという。GN9000/SIには,1Gビット/秒のEthernetコントローラ・チップに加えて,専用のCPUが搭載されている。同アダプタのCPUが,サーバー・マシンのCPUが行うiSCSIのコマンド処理や,1Gビット/秒の速度のパケット処理を“肩代わり”してくれることで,iSCSIへのアクセス性能を高め,サーバーの負荷を減らすことになる。将来は,10Gビット/秒のEthernetにも対応していく予定だ。出荷開始は2001年末。

(木下 篤芳=日経Windows 2000)